誰でも書けると思っていた

文章なんてモノは誰でも書けるモノと思っていた。

イラストやデザインはデッサンや配色、基礎セオリーが。
写真は経験から生まれる画角やライティングなどが。
音声や録音は完全に特殊技能、職人技といってもいい。
ウェブはデザインに加えて最先端のプログラムスキルと知識。

他のライターさんに失礼な話だが、文章は誰でも出来ると思っていた。
実際、小学生でも読書感想文や文集で十分書けている。

それに加えて2005年頃から起こったWeb2.0。
テキストサイトやブログで誰もが簡単に文章を書いて発信した。
そして今も増え続けるSNS。
日本ではMixiにはじまりFacebookやTwitter、LINEなど。
メールもそうだ。今やとてつもなく「文字文化」である。

CMなどのシナリオやストーリーは特殊技能だと思っていたが、
それ以外のライティングは誰にでも出来ると思い込んでいた。

ところが今年に入ってからかつてない程たくさんの人と会った。
そして言われたことは、

「文章はどうやったら上手くなるの?」

「文章が一番苦手なんだよね」

「出来れば文章は書きたくないんだ」

という、自分が長年思っていたことと真逆の話だった。

「でもみんなSNSで書いてるじゃない?文章書けてるんだよ」と言うと
ある一級建築士の友人がこう言った。

「だからこそ、今の時代、プロのライターの責任は重いよ」

これは刺さった。
文字が氾濫しているからこそ、上質な物を・・・か。

もっと自分の筆先を研鑽していこうと心に決めた。
遠く長い道程だけど、その責任は全うする。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA