デザインの経験値展に出展
イベント出展の誘いを受けたものの、どう返事をして良いのか、三十分ほど逡巡していた。参加するのか、それとも断るのか。脳内回路はビキビキと音を立てながら稼働していた。
「デザインの経験値展」というイベントで、グラフィック・コピーライティング・写真・レタッチ・プロダクト・パッケージの6つのカテゴリーにおいて、経験値の異なる2~3名のクリエイターに同じ課題を依頼し、その成果物を展示するという。さらに、会場では作者名が「伏せられて」おり、配布するリーフレットで作者とキャリアを確認することができるという。・・・これが如何に恐ろしい企画だということがお分かりいただけるだろうか?
自分の経験が年数だけでなく、具体的な成果物として展示され、作品を見た人の判断によっては、キャリアが上のクリエイターが若手に、若手の方がキャリアが上に捉えられることもあるのだ。そのリスクを踏まえて返答をしなければならない。キャリアが上がれば上がるほど、どうしても身を守りたくなる。自分はベテランではないが、若手でもない。中堅といったところか。ところが、コピーライティング部門にエントリーされているのは、若手ではなく「一般企業で時々企画書を書く素人さん」と「広告業界を志望している学生さん」だそうだ。・・・Oh。
この機会も何かの縁だ。自分自身にコテンパンなジャッジが下されれば、それは「お前、もっと頑張れ」という意味だ。思い出してもらえただけでもラッキーだ。さらに声をかけていただいたことを有り難く思え。そう弱腰の自分を奮い立たせて、エントリーを決めた。
コピーライター部門への共通課題は、「うつわギャラリーのホームページに記載されるABOUTページのテキスト」という架空の設定。マスト項目も決まっているし、文字数も200〜400文字程度、さらにライティング予算は3万円で受ける、とかなり実践に即した細かな設定がなされている。作品だ、展示だと気張ることなく、いつも通り、クライアントさんの思いに寄り添った仕事としてやってみた。もう自然体。
課題作品は提出した。あとは、幕が開くのを待つだけ。クリエイターの方々はもちろん、クリエイターに依頼を出す一般企業の方にもご覧いただきたいと願っています。金曜日から日曜日の三日間、ぜひお越しくださいませ。
「デザインの経験値展」
会 期:2019年10月11日(金)~13日(日)
会 場:ギャラリーうえまち
〒543-0021 大阪市天王寺区東高津町5-16
時 間:11日…11時~20時
12日…11時~18時
13日…11時~17時
料 金:入場無料