企業には、言語化の「顧問」が必要です。

25年以上、コピーライターとして数多くの企業の広告媒体に携わり、気づいたことがあります。それは、多くの企業が「自社の価値を伝える言葉を整理できていない」ということです。

商品・サービスには自信がある。優秀な人材も揃っている。長年の実績もある。独自の技術もある。社長には明確な想いがある。それなのに、Webサイトやパンフレットを見ると「どこにでもある会社」に見えてしまう。

しかし、1〜2時間ほどの取材・ヒアリングを行い、経営者や担当者と「対話」を重ねることで、彼ら自身が見えていなかった「伝えるべき会社の価値」が掘り起こされていくのです。

AIエージェントによる経営者言語化サービスも展開されている時代ですが、AIが会社の歴史の重さを感じ、経営者の覚悟と情熱を理解し、社員の声に耳を傾け、「この会社が本当に伝えるべきことは何か」を決めることはできません。

こうした経験から、私は「経営者にこそ、言語化の「顧問」が必要だ」と確信するようになったのです。

文章顧問とは、企業の「文章や言葉」に関する外部の専門家です。

単なる外部ライターへの依頼ではなく、企業理念、ビジョン、営業、採用、広報など企業活動のあらゆる場面で必要になる「言葉」を、経営者とともに整え、横断的に支援する。

必要なときには自ら書き、必要なときには社員の書いた文章を監修し、必要なときには「何を書くべきか」から一緒に考える。ただ文章を書くための存在ではなく、企業が本来持っている価値を、社外に正しく伝え、社内に根づかせるための存在です。

経営者の思考が言語化されると、会社は変わります。

経営者の想いや考えが、社員一人ひとりの判断の軸になる。
社員が自社の強みや仕事の価値を、自分の言葉で誇りを持って語れるようになる。
営業では価格だけで比較されるのではなく、「この会社に任せたい」と選ばれる。
採用では、企業の理念や文化に共感した人が「ここで働きたい」と集まってくる。

こうした変化は、AIでただ文章をつくるだけでは生まれません。企業の中にある「伝えるべき価値」を見つけ、言葉として整理し、社内外で共有され、使われ続ける状態をつくることが必要です。

私が目指すのは、文章を代わりに書き続けることではありません。「経営者の言葉」を企業の成長を支えるインフラにすること。それが、文章顧問の目指す未来の姿です。